スポーツメーカーの仕事って何があるの?!14の職種をご紹介!

「スポーツが好きだからスポーツメーカーに就職して働いてみたいな。でも、スポーツメーカーで働く人たちって何をしてるんだろう?」

スポーツメーカー就職に興味のある人は、一度は考えたことがある疑問だと思います。

「スポーツに関われるから楽しそう!」という漠然としたイメージで就職して、後から「こんなはずじゃなかった…」とならないように、スポーツメーカーの仕事/職種をしっかりと理解しておきましょう!

以下では、主なスポーツメーカーの仕事/職種を取り上げます。

ただし、そのメーカー毎に、同じ部署の名前でも仕事内容が異なったり、他のメーカーには無い部署が存在したりすることもあります。

ただ、スポーツメーカーには、どんな仕事があるのかざっくりとした全体像をつかむには十分だと思います。事務系の職種から、理系職の開発職までを取り上げました!

ちなみにですが、某サイトで以下の記述がありました。

”「日本のスポーツメーカーに就職したら、大部分の人は、営業に配属される。地方のスポーツ店や学校を割り当てられ、20年以上営業を行う。(長ければ定年まで)その中のごく一部の超優秀な人が本社のマーケティングや商品開発に転籍できる。」

「つまり、メーカーやチームで重要な仕事がしたければ、親会社から天下りするか、他の仕事で専門性を身につけて転職するしかないのだ。」”

プロフィールを見ると、スポーツメーカーに勤務したことがない人のようです。

スポーツメーカーの中の人間から、正直に言います。

まず「大部分の人が、20年以上営業を行う」、というのは、少なくとも「今は」間違っています。

競合企業の人とも話しますので、自分の会社だけでなく、他の会社にも当てはまると思います。

昔の人は、ジョブローテーションが無かったので、20年以上も営業をしている人はいます。

しかし、若い世代を見ると、ジョブローテーションがあって色んな部署に移っています。いろんな経験をしています。

花形と言われる企画を経験できるとは限らないですが、少なくともスポーツメーカーに入ったら営業のみという固定観念を植え付けるような上記記述は的外れです。

それと、転職組しか花形の部署に行けないような記述は、最悪です。突如として、日系スポーツメーカーと外資スポーツメーカーを一色単に議論しています。

外資スポーツメーカーは、転職組が多いです。なので、上記記述は間違っていないと思います。

しかし、日系スポーツメーカーは、そもそもとして転職組が少ないです。

私の会社では、企画やマーケティングの部署の人のバックグラウンドを見ると、9割以上が生え抜きです。

私のコメントを信用するか、某サイト情報を信用するかは、OB訪問等を通じて確認してみてください。

前置きが長くなり申し訳ありません!

以下13のスポーツメーカーの仕事です!

記事を参考に、他業界と比較したり、ご自身の入社後のイメージをしてみてください!

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文系職

1.営業

スポーツメーカーの営業職の主な仕事は、スポーツ店の営業です。メーカーによっては直営店を構えていますが、全国に存在するスポーツ店に商品を卸しています。

営業先は、主に2つに分かれます。大型スポーツ店と、個人スポーツ店です。大型スポーツ店は、ゼビオ、スポーツオーソリティ、アルペン、ヒマラヤなど、皆さんも聞いたことがあるようなお店です。個人スポーツ店は、地域に根差した小さなスポーツ店を指します。ラケット競技やマイナースポーツ等の商品に特化している専門店も含まれます。

こうしたスポーツ店に対して、「自社製品を置いてもらえないか」、「できる限り見えやすいところに配置してもらえないか」、「選手のパネルや宣伝動画を置かせてもらえないか」といったことを商談します。

時には、スポーツ店にもっと人が来てくれるようなイベントを企画運営します。スポーツ店が独自でイベントを開催する際には、その運営の協力をすることもあります。こうしたイベントはお客様が来店しやすい土日に開かれることが多いため、営業職の方は土日出勤となり平日に代休をもらうことになります。

2.マーケティング

マーケティング職の仕事は、そのスポーツメーカーによって担当範囲が変わります。一般的には、社会・消費者トレンドを読み解いて新商品を企画し、生産量や価格設定からプロモーションなどの販売戦略を立て、実行する部隊です。新商品のアイデアから、販売促進まで担当するので、マーケティング部署は研究開発、生産管理、営業など様々な部署の人達と関わることになります。一人で全て担当するのではなく、スポーツごとにマーケティングチームがあったり、複数のスポーツをまたいで市場調査/商品企画/プロモーションで分かれていたりします。

また、スポーツメーカー特有の部署として、「スポーツマーケティング」があります。これは、プロチーム・選手や強豪校のサポートであったり、マラソン大会などのスポーツイベントの協賛を担当します。スポーツイベントが土日に行われることが多いので、土日は出勤で、平日休みになる人が多いようです。

3.広報

広報の仕事は、メディア営業、メディア対応プレスリリースの作成オウンドメディアの運営、社内広報などがあります。メディア営業では、例えば、テレビ局に出入りをして、タレントなどに自社商品を着用してもらうように営業をかけたり、テレビ番組内で特集を組んでもらうように働きかけるなどあります。

オウンドメディアの運営には、ブログ、SNS(Facebook、Twitter、Instagram)等が含まれ、社内外に取材に行って、社内の様子を広報したり、企業のブランドイメージを向上させるような記事を作成したりしています。また、社内報を担当し、その企画から運営までを行っています。

どこの会社でも会社の顔と呼ばれるので、花形と言われます。

4.生産管理

生産管理職は、主にマーケティング職と協議した上で、ある商品の生産量を決めます。その生産計画に基づいて、工場に商品の発注をし、その納期の管理を行います。日本国内だけでなく、時には海外の工場にも訪問し、品質のチェックを行います。

工場にトラブルがあったりして、納期までに商品を届けることができないと、市場では欠品が続いてしまったり、大量の在庫を抱えることに繋がりかねません。表舞台には出てこない部署ですが、生産管理の部署はメーカーにとって大変重要な役割を担っています。

5.物流

ロジスティクスともいわれます。商品の輸送を安定的、かつ、効率的に行えるようなシステムを構築する部署です。物流でどれだけコストを削減できるかで、相当利益が変わってきます。また、物流でトラブルが多いと、商品の安定供給ができず、消費者の不信を買うことになります。4の生産管理と同様、裏方ですが、非常に重要なポジションです。

6.DTC

DTCは、Direct to Consumerの略で、消費者直販などと訳されます。様々なブランドを扱うスポーツ店に販売を任せるのではなく、自社のチャネルを通して直接消費者に商品を販売することです。自社の直営店舗や、オンラインサイトが挙げられます。直営店舗の仕事には、店舗スタッフだけでなく、店舗の世界観のデザインや、ブランドイメージを強化するためのイベントの開催を担当する人がいます。

自社の伝えたいイメージを直接消費者に届けられ、ブランドマーケティングをコントロールできます。また、消費者の情報を入手できます。一般的に、直営店やオンラインサイトで販売した方が、スポーツ店を通すよりも利益率が高くなります。消費者も、オンラインでの購買量が増加してきています。

こうした背景から、今後直営店に力を入れていくかと思います。ますます重要になってくる部署です。

7.IT

ITの仕事には、社内向けのIT環境を整えるのと、ITを駆使して消費者とのコミュニケーション手段を作ることが挙げられます。社内の生産性を上げるために、アナログからデジタルに変換して行く必要があります。そのシステム導入から、システム管理、社内IT教育までを行います。

また、プロモーションの点について、アプリを制作するなどして、ITを何かに組み込むことで新たなコミュニケーション手段が生まれないかなどを模索します。スポーツメーカー業界は、IT使用率が低いと言われています。得意先が古い体質を持っていることが多く、未だにFAXで注文のやり取りをしたりしているところもあります。そういうこともあり、なかなかITが浸透していません。逆に、スポーツメーカーで、ITを用いて何かを生み出せる人材は貴重です。

8.法務

会社内の法律関係の仕事を担います。スポーツメーカーなど、消費者向けに商品を製造していると、様々な法律事案が出てきます。この新商品は著作権を侵害していないか、この広告は消費者庁のルールの範囲内か、得意先とトラブルがあったが法律的にはどちらが正しいのか、などなど。こういう事案を解決してくれるのが法務です。

自分は関係ないと思っていても、配属される可能性がありますよ!

9.人事

人事の仕事には、新卒及び中途の採用社員教育労働環境整備があります。

新卒採用の場合、どのような人材がどれだけ必要か議論をし、採用コンセプトと採用予定人数を定めます。その目標を達成するために、何の手段(説明会、インターンシップ等)を用いて、それをどれだけ、どのように行えば良いかの戦略立案を立てます。

採用イベントは、学生の学業に配慮して土日に開催されることも多いので、説明会開催時期は土日勤務になることもあるか思います。

10.経理

会社内の経理関係の仕事を担います。簿記検定3級以上を持っているのなら、それを生かせると思います。

私は、経理の仕事のイメージとして、数字をチェックしてミスが起きないようにただただ入力作業などを行っているイメージがありました。取引のある企業の支払い状況などをチェックすることなどは、上記の仕事に近いかもしれません。しかし、もっと面白い仕事もできる可能性があります。例えば、社員が使用した経費をチェックして、効率的な経費利用を提案できます。営業が獲得してきた売上について、利益率が悪ければ、それがなぜなのかを数字から分析して、改善方法を提案することができます。

スポーツメーカーと言えば、プロ選手などと関わって仕事をするのかなと華やかなイメージを持っている方には、経理の仕事は地味に映るでしょう。

しかし、経理の仕事は会社を支えているという点で非常に重要な役割を担っていることを知っておきましょう。

11.デザイナー

シューズや、アパレルなどの新商品のデザインを担当します。商品企画を担当する部署が、新商品のコンセプトを始めとしてトレンドに合わせたカラーや形を指定してきます。それに合わせて、商品をデザインすることになります。

デザイナーに自由裁量があるかどうかは、そのメーカー、デザイナー、商品によって変わります。デザインをしている途中で、市場の変化が原因で、突然デザイン案の変更を余儀なくされることもあります。

12.海外

上記の仕事を現地海外で行うことです。

日系企業、外資企業ともに、海外出張はしばしばあります。海外の展示会に参加したり、サポート選手の帯同、市場調査などで行くようです。

日系企業の場合、数年間の海外駐在があります。いま、日本のスポーツ市場の成長が期待できないので、海外売上を伸ばそうとする企業が多いです。将来会社を引っ張っていくであろう若手を、海外に派遣するスポーツメーカーが多い印象です。

13.プロジェクト

スポーツメーカーは、大きなスポーツイベントの際に、プロジェクトチームを立ち上げることがあります。例えば、ワールドカップやオリンピックです。「○○イベント推進室」などの名前の会社もあるかと思います。

ワールドカップは、主にアディダスが握ってきて、東京オリンピックはアシックスが一社でスポンサードを行っています。ボランティアウェア○万着、スタッフウェア○万着、選手用ユニフォーム○百着、などなど、規模感がとてつもなく大きいです。

世界注目のイベントを陰で支える仕事です。もの凄い達成感があるかと思いますが、その分プレッシャーも大木です。

理系職

14.研究開発

新素材の開発などの基礎研究から、アスリートのパフォーマンスを解析する応用研究まで様々にあります。大学や大学院時代に研究していたことを、そのまま活かせる部署に配属される確率が高いです。また、スポーツメーカーの理系職の人は、大学時代からスポーツに関する研究をしている人が多い印象です。

なお、理系職→文系職の移動は可能ですが、反対は厳しいと思います。開発職には、高度な数学の知識などが必要なので、文系で大学を卒業した人にはなかなか難しいです。

終わりに

スポーツメーカーの仕事/職種、14個をご紹介してきました。

スポーツメーカーによっては、それぞれの呼び名が違ったり、多少組織の分け方が違うかもしれません。

部署の名前や組織体制の違いを、スポーツメーカーごとに比較してみることは意外と楽しいですよ♪

スポーツメーカーに就職すれば、プロ選手の近くで仕事ができると思っていたら、

まさかの法務に配属され、ずっと内勤が続く!という可能性もあります。

希望していた仕事と違う仕事を任せられる可能性もあることを理解しておきましょう。

個人的な感想ですが、

スポーツメーカー内で働く限り、スポーツメーカーの特権を受けられるので他業界よりも楽しいと思います!

例えば、安価でスポーツ用品を購入できたり、同僚とガチのスポーツを楽しんだり、国際スポーツイベントの度に社内で盛り上がったり…。

「いやーでもやりたい仕事できないなら、スポーツメーカーやめようかな~」と思っているあなた!

ほとんどの日系企業では、数年ごとに部署移動があります!

どの企業に行っても、華やかさの陰には「必ず」辛くて泥臭い仕事があります!

万一好まない部署に配属されたとしても、その時の経験が将来に生きると信じて、数年間頑張れるかどうかが大事です!

私の先輩でも、数年営業を経験したのち、営業時代から志望していた海外勤務をしたいと考えましたが、

なんと社内選考で落選…

ショックを受けましたが、その代わりに、スパイクの企画に異動。結果として出張ベースで海外を飛び回ることに。

元々シューズが好きだったので、今は本当に楽しそうにスパイク企画をしています。

自分が志望する部署だけが、あなたの幸せになれる場所ではありません。

自分が気づいていない幸せの場所はたくさんあると思います!

スポーツメーカーの仕事って何があるの?!14の職種をご紹介!” に対して1件のコメントがあります。

  1. マイク より:

    過去スポーツメーカーに勤務してました。
    スポーツメーカーの情報整理素晴らしいと思います。
    少し古いですが、以下ご参考にしてください。
    スポーツメーカーの仕事について
    特有の仕事は
    1)マーケティング(ブランド政策やブランド価値の向上なども含む)
     プロモーション部門は消費者(一流選手など)と直接接する機会も多い。
    2)商品開発(デザインも含む場合が多い)
     消費者(一流選手など)と直接接する機会も多い。
    3)研究開発
     企業により差があるがアシックスではホームページにあるように
     素材開発、商品製造方法の仕事、商品の機能評価と機能向上の研究、怪我や故障への対応、近年は高齢者のリハビリプログラム開発も対象
    4)生産関係は製造業として共通のスキルがあり、スポーツ関連商品だからといってスポーツとは直接関係はなさそうです。
    5)経理や総務、法務,ITなどは業種独特の仕事ではないですね。
     法務の仕事は
     ・弁理士に近いですが工業所有権関連の出願や利用許諾契約、訴訟対策など
     ・いわゆる企業法務で子会社などが立地している国の法律対応、他企業との協業契約や、子会社設立、企業買収など海外との仕事が多い。

     なおアシックスはちょっと特殊で自社内で何でもやる傾向が大です、研究開発は材料開発までやりますし、材料メーカーと同レベルの素材分析装置があり、分析手法の研究までやってます。ITも多くの専門家を抱えてます。法務部門も弁護士抱えてます。
    あと近年法務部門は弁護士資格を有する人が多いです。

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